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2025/12/6

中学受験の「特殊算」は本当に必要か?〜非効率な学習が奪う未来の「数学」力〜
非効率な学習が生む「数学嫌い」 小学生の多くが中学受験のために通う塾で、多大な時間をかけて習得を求められるのが「特殊算」です。つるかめ算、旅人算、和差算、そして連立方程式そのものの「消去算」を、面積図や線分図などの「特殊な解法」で解きます。
もちろん、特殊算でしか解けない問題はありません。これらは、本来中学生で習う方程式を使わずに解くための「受験テクニック」です。消去算はリンゴとミカンの絵を描いて加減法を教えますが、これはまさに連立方程式そのもの。貴重な学習時間を、方程式という汎用性の高いツールを教えず、あまたの特殊なパターンを覚えさせることに費やすのは、果たして合理的でしょうか?
実際、難関中学に入学すると、「今まで受験で習った算数の解き方はすべて忘れて下さい」と言われることがあります。これ以降は、すべて方程式で解くからです。
「お受験算数」の弊害と東大生の実態
特殊算の弊害として、検索結果からも示唆される通り、「論理性・納得感」よりも「解法当てはめ」という思考を小学生に定着させてしまう点があります。パターンを暗記して当てはめる「覚える算数」になってしまうと、その後の学習で、なぜその解法で解けるのかという理屈や本質を考える力が育ちにくくなります。
その結果、「お受験算数」で高い偏差値を取った生徒の中には、高校や大学に進んでから、論理的な思考力が求められる本格的な「数学」を苦手とする人や、嫌いになる人が少なくないという話もあります。これは、受験算数と受験数学の能力の相関が低いこと、そして特殊算の暗記学習が、数学で最も重要な「考えるプロセス」を軽視させてしまうことに一因があると考えられます。

土台を積み上げる学習こそ最善
特殊算を知らなくても、高校、大学と進むのに何ら問題はありません。それどころか、方程式の考え方を早い段階で身につけた方が、ずっと効率的で応用力のある学習が可能です。
私たちサクシードでは、中高一貫校へ進む生徒に対しては、特殊算の指導が必要な場合も、その根底にある「考え方」をともに考え、指導します。一方で、中学受験をしない生徒に、あえて特殊算に時間を割くことはしません。

普通の能力の生徒にとって最善なのは、特殊なジャンプで柿の実を採ろうとする無謀なことではなく、足元に土を固く積み上げながら、楽に柿の実をとれるようにすること、つまり、基礎から応用へと少しずつ土台を積み上げる学び方です。
「受験塾」が特殊算を指導するのは、「親には教えられないだろう」と保護者の不安を煽り、集客の道具にしている側面も見受けられます。しかし、本質を理解し、方程式という汎用的な考え方さえきちんと教えれば、親御さんでも十分に教えられるはずです。
小学校教育にも、小学校算数教育課程の革新と深化を図り、特殊算に頼らない、より本質的で論理的な思考力を育む指導への転換を強く望みます。

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