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2020/06/10

★ ケチケチ定義(言葉の正確な意味や用法)
形の本質をずばっと捉えている性質を使って形の仕組みを説明したものが定義です。この時、定義に含める仕組みは最小限のものにしている、ということです。定義にもりこむものをできるだけケチって、出発点にする仕組みをできるだけシンプルにしておくのです。数学では定義を考える際に、2つのしかたでケチっていますが、その2つのしかたに共通しているのは、ある仕組みからルールにしたがって ストーリーを展開することを、大切にするという点です。ところが小学生・中学生には定義のルールが明確でない生徒さんが多いです。個人塾の個別指導塾では、定義について丁寧に指導します。
第1のケチり方は、ある仕組みからストーリーを展開して見出せる情報は定義に含めない、ということです。例えば、平行四辺形では向かい合う辺は同じ長さになっていたり、向かう合う角は大きさが等しくなっています。しかし、そうした性質は「向かい合う辺が2組とも平行になっている」という定義に含めた仕組みから導くことができるので、できるだけケチるという点から、定義には含めていません。このケチり方のメリットは、チェックの際に手間が最小限ですむことです。この形が本当に平行四辺形かを確認するのに、2つ、3つの条件を確認するよりも、「向かい合う辺が2組とも平行になっているかな」と1つの条件を確認するだけですむ方が楽です。定義をできるだけケチってシンプルにしておくことは、こうしたチェックを楽にします。
第2のケチり方は、できるだけ多くの形の話を1つの定義ですませてしまおうということです。例えば「向かい合う辺が2組とも平行になっている」という仕組みを持っている形のことは、すべて1つの定義ですませてしてしまうのです。例えば、みなさんが「平行四辺形」ときいて思い浮かべるイメージでは、隣り合う角の大きさは違っているのではありませんか。そこで、平行四辺形の定義の中にこの「隣り合う角の大きさは異なる」という条件を含めたら、どうなるでしょう。この場合、隣り合う角がどちらも90°である長方形や正方形は平行四辺形ではないことになってしまいます。でも、長方形や正方形でも「向かい合う辺が2組とも平行になっている」ので、当然長方形や正方形も持っているはずです。このとき、わざわざ「その性質を、平行四辺形と長方形と正方形は持っている」と説明するのは手間がかかります。ここで「向かい合う辺が2組とも平行になっている」という仕組みを持っている形のことは、すべて1つの定義ですませるようにしておけば、長方形や正方形も平行四辺形の一種ということになりますから、「その性質を、平行四辺形は持っている」と説明すればよいことになります。実は上の説明で「長方形や正方形」と書いていますが、長方形の本質を示す仕組みを「4つの角が等しいこと」だとして、これで長方形を定義すると、正方形も4つの角が等しいので、正方形は長方形の一種だということになり、上の「長方形や正方形」の部分は実は「長方形」だけでよくなります。説明の文字数が節約できて、ケチケチの精神にぴったりです。個別指導の個人塾だからこそ、定義や定理について話すことができます。
このように小学生・中学生には、定義はシンプルにルールづけられていることを知ってほしいと思います。

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