安易な中学受験は子どもをダメにする!
今までの経験から、若者の「受験」が必ずしも悪いものだとは思っていません。なぜなら「受験」は、この平和な時代、若者に一定の成長を促す、恐らく唯一の通過儀礼だからです。受験を機に一気に変ぼうする生徒たちを目の当たりにしてきました。(親の心配、子どもの迷惑、受験は自立のチャンス!)
しかし、1つだけ例外があるのです。それは中学受験です。基本的に小学生が中学受験をすること、特に私立の附属中を受けることに反対します。お子さんを受験させようかどうか迷っている親御さんはどうか私の考えを重要な情報の一つとして聞いていただきたいと思います。世間が考えるほどのメリットはない。
さて私が中学受験(特に私立)に反対する理由はたくさんあります。それらのすべてを検証すると膨大な量になるので、とりあえず2つだけあげてみます。
①子どもが勉強ギライになりやすいこと
②親や世間が考えるほど人生で有利に働かない
①子どもが勉強ギライになるとは
これは単純に考えてみると分かります。まだ遊びたい盛りの小学生に受験勉強をさせること自体にムリというか不自然さがある。ご存知のように中学受験の準備は遅くとも小4くらいから始まります。さらにこれまたよく知られているように、私立中学入試問題はきわめて特殊で難解なものが多く、しかもそれらをスピーディーに処理しなくてはならない。
当然中学受験専門の学習塾で小さいうちから「合格目的」のためだけの、特別な「処理能力」を特訓される。つまり詰め込まれるわけです。正直、勉強の面白さをゆっくり味わうという観点は考慮されていないのです。
結果、受かっても受からなくても「勉強はつまらない」という印象が残ります。
勉強とはテストのためにイヤイヤ仕方なくやるもので、そこに学ぶ喜びや感動といった、後々まで残る知的財産を見い出すことは困難です。
勉強の面白さを伝えたい私にとってこれはすごく残念なことです。強いられた勉強の弊害でしょうね。ところで意外に知られていないことですが、中学受験で合格してもその後中学・高校で伸び悩む子は多いのです。
付属中からエスカレーターで上がって来た子たちは、ほんの一部のズバ抜けて出来る子たちと大半のヤル気のない学力不足の子にハッキリ分かれてしまいます。
一方中学受験に不合格になって公立中に進んだ子たちも、数年に渡って後遺症に悩まされます。基本的にテストの点や順位にこだわり過ぎる傾向があり、勉強内容そのものに関心が持てない。
そして高校受験が近づくと、中学受験のトラウマが再燃するのか、パニクったり勉強から突然逃げまくったりと入試恐怖症に襲われ、能力に見合ったレベルの高校に行けなかったりする。
いずれにしても勉強そのものに興味を持てず、せっかくの高い能力を発揮せずに終わることが多いのです。
②親や世間が考えるほど私立中進学は人生で有利に働かない
多くの親は私立中、とりわけ大学付属や中高一貫校が大学進学と直結(エスカレーター)していて得であると考えているようです。しかし、ハッキリ言ってこれは幻想です!
中学入試組の3分の2は進学後学力が伸びず、地元の公立校からでも受かる大学にしか進学していません。たとえ大学付属であっても学力下位のこれらの生徒たちは、推薦してもらえず他大学へ行くか、系列の大学に行けるにしても希望の学部には入れない事態が起こります。
こういうことは学校関係者が明かしたがらない事実ですが、塾の業界では常識です。
当然これらの学力がついていない中学入試組(何度も言うようだがその数は想像以上に多い)の多くは、大学に入ってからも低迷を続けがちなのです。
このようにいわゆる私立中入試というものは、多くの人が漠然と考えるよりメリットが少ないし、むしろ弊害が多いものだということを知って欲しいと思います。
買い物で数的感覚育成
かごいっぱいにお菓子を買っても、1000円もいきません。夢のような空間ですね。欲張りなのでいろいろなお菓子を食べてみたくなり、1種類を大人買いするというよりは、多くの種類を1~2個ずつ買いました。
お会計の際にあらためて気がついたのは、店員さんの計算が早くて正確なこと。袋につめながら、暗算でどんどん計算していきます。一回も手が止まることなく合計金額を出していました。日常の光景なのでしょうが、すごいことだなぁと感心してしまいました。
自分も小学生のころ、限られたお小遣いを片手に、買えるお菓子の組み合わせを一生懸命考えたものです。よく考えるとこれって数的感覚の育成に大きく貢献していると思いませんか。
100円をちょうど使いきるには、このお菓子とあのお菓子と・・・と考えることで、数字のイメージが正しく身に付いていきます。だから店員さんは、計算が正確でスピーディだったのだと思います。
低学年のお子さんがいらっしゃいましたら、スーパーでお菓子を買うときに一工夫してみてはいかかですか。欲しいお菓子を持ってきてかごにいれてもらうのではなく、駄菓子のコーナーで100円分のお菓子を選んでもらいましょう。そうすれば、お子さんもお菓子を選ぶ楽しみを感じながら自然と算数の勉強になります。
身近なところからいろいろと数的感覚を磨いてください!
▼こんな親が大手塾費300万を無駄にし子どもを潰してしまう
中学受験向けの大手塾費用は、小学4年~6年の3年間で月謝や長期休暇の講習、模擬試験、補講費、指導料、施設費などで約300万円が相場だ。コストは決して安くはありません。その代わり、学校で習わない特殊算(つるかめ算、旅人算、植木算、通過算など)も覚えてきます。
しかし、お受験塾では中学に入学すれば、「今までの特殊算は、すべて忘れてください」と言われます。中学・高校以降、方程式で課題を解決するからです。特殊算が足かせになって、うまく伸びないということも起こります。多くの時間を使って、特殊算を学ぶのは、時間の無駄ともなります。もともと、文科省の指導要領にも特殊算はありません。塾講師が、考え始めた解法です。
「大手塾は効果はあるが、副作用もある“劇薬”であるということを心してください」
子どもを塾に入れる際、親がしっかり肝に銘じるべきは、塾という“クスリ”は子どもだけではなく親にも投与されるということです。
「塾の使命は、お子さんの実力を数値で把握しなければなりません。だから、テストがあり、偏差値があり、順位付けがあり、クラス分けがあります。そのような競争の中では、子どもの“やらねば”を引き出せる利点もありますが、自宅勉強のサポーターとなるはずの親は、熱が入り過ぎて、知らず知らずのうちに子どもを“数字”で評価するようになっていきます。親も子も受験の競争の中に“巻き込まれる”のはある意味自然なことでしょう。だからこそ、お子さんに合った塾選びが大事なのです」
周りの様子を見て、良かれと思って難関中学を目指す塾に行かせたものの、その塾の学習方針がまったく合わず、子どもは前向きになれない。親を落胆させたくない一心で子どもも頑張るが、長続きはしない。成績が低迷すれば、親は子どもを叱り、失望する。すると子どもはますます自信を失って結果が出なくなる。この悪循環に陥ると、どうなるのか。それは、「戦意喪失」という形で現れます。
仮に、何とか志望校に合格したとしても、中学校に通えなくなるケースが少なくないのです。不登校者数はいま非常に多いです。(劇薬である)大手塾や受験の副作用として、子供を勉強嫌いにしてしまうことがあります。ぬぐい難い劣等感を与え、何かに挑戦する意欲を失わせてしまうのです。親としてはわが子のためにと安くない塾代を支払っているのに、とても悲しいことです。こうした副作用が出ないようにするためにも、子供に合っていて、学力を伸ばすことができる塾選びをしてほしいと思います。
なお、『裏技』というテクを教える塾は、止めた方が良いと思います。理解し、正攻法で解いていくのが学びです。
『知識』と『知恵』
学びは、決して知識や情報を頭で理解した記憶するだけではありません。何かの知識を持ってそれを身体を通して感じてみる、つまり身体感覚を伴う体験で「気づき」「腑に落ちる」ということが起きます。
体験を通して初めて学びは知恵に転化するのです。この自分の身体の体験から起きる学びこそが私たちの意識を変化させ、人間としての成長と進化をもたらしている源なのです。
数学の得意な人と苦手な人、好きな人と嫌いな人の違いの特徴の一つに、考えることができるかできないか、考えようとするかしないか、問題を見て、すぐに分からないと諦めてしまうか、何とか解こうと試行錯誤考えてみるか。試行錯誤考え、「考える力」を伸ばし続けたお子様とそうでないお子様では、年齢が上がるにつれ、数学力の差は目に見えて大きくなってきます。
「わかる」と「ひらめく」数学は勉強をすれば、「解法がわかる」ようになってきます。学校のテストなどでは、頑張って勉強し、解法がわかれば十分に高得点が取れるようになります。数学の入試問題などの応用問題では、平均点は取れても、「わかる」だけでは高得点はなかなか取れません。その壁を突破するためには、「ひらめく」ことが重要になってきます。「ひらめく力」は「考える力」であり、「考える力」を伸ばすためには、「考える習慣」が大切です。「考える習慣」を身に付け、「考える力」を伸ばしていきましょう。解説があれば、効率良く「解法がわかる」ようになり、成績も効率良く上げることができます。
「従来の暗記重視の教育は良くない、もっと子供たちに考えさせるような授業をするべきだ」という言葉をよく耳にします。なんとなく良い言葉のように聞こえてしまうのですが、私はあまり好きではありません。まず知識を持たなければ、何を思考すれば良いかもわからないし、物事が正しいのか間違っているのかを判断することもできません。社会人になって、「結局信用できるのは知識のある人だ」ということを実感する機会も多いです。
「暗記なんてしょうもない」という言葉に逃げずに、まずは暗記から勉強を始めましょう。
学習の成果を出す・成功には偶然の要素もある
試合に勝つためには、負ける要素が何だったかを抽出し、どうしたらその要素を消せるかを考えていく必要があります。もし勝ち試合であっても、この中には、負けにつながることを犯しているミスが多々あり、たとえ試合に勝ったからといって、その犯したことを見過ごしてはなりません。
成功には偶然の要素があり、、その要因は実は本人にもわからないことが多く、反面、失敗には再現性があります。やってはいけない事をやってしまうと必ず失敗するということです。だから実際には、むしろ失敗から多くのことが学べるものです。
戦略とは「戦いを略す」と書きます。戦わずして勝つ。いわば、やってはいけない事を知ることが何よりも先に必要となります。
「絶対に勝てる戦略」すなわち「成功の十分条件」はありません。しかし「これをやったらほぼ確実に失敗する」すなわち「これをやってはいけない」という事柄は存在します。言い換えると「踏んではいけない地雷」があるのです。そして、成功の十分条件は存在しませんが地雷を踏まないことが、少なくとも「成功の必要条件」となると考えることができます。
負けない戦略は、才能やひらめきではなく、地道な努力で作ることができます。ひらめきに頼る戦略は、たまたまうまく当たったときは「カッコいい」のです。
地味で目立たないことを大切に。目先のことに忙殺されて、基本を忘れる当たり前すぎておろそかにしてしまうのでは成功の必要条件を満たせません。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負け無し」