■学力を飛躍させる!「図で考える力」が小学生・中学生の未来を拓く
◆頭の中のモヤモヤを「見える化」しよう
「数学は苦手」「文章題になると頭が真っ白になる」—そう感じる小学生や中学生は少なくありません。計算自体は得意でも、問題が何を求めているのかを理解する段階でつまずくケースが多いのです。
◆ここで鍵となるのが、**「絵を描く」「図で考える」**というシンプルな行動です。
★例えば、線分図。追いつき算のような速さの問題では、「弟が出発してから5分後に兄が出発し、追いつくのはいつか?」という複雑な状況も、スタート地点からゴールまでの道のりを線分図に描き出すことで、どこからどこまでを考えるべきかが一目で明確になります。これは、頭の中で複数の情報を同時に処理する負担を劇的に減らしてくれます。
★分類と構造を理解する:ベン図の力
集合の概念も同様です。小学生高学年から中学生で学ぶ「ベン図」は、「犬が好きな子」「猫が好きな子」「両方好きな子」「どちらも好きではない子」といった分類を視覚的に整理します。
目で見ると、それぞれのグループの関係性や、全体の構成要素が瞬時に把握できます。これは、情報が錯綜しがちな現代において、情報を分類し、構造を捉える力を養う練習にもなります。
◆抽象的な概念を図でつかむ
数学が高度になるほど、扱う概念は抽象的になります。実数や虚数といった「数」の成り立ちも、図で捉えることで理解が深まります。
実数は「有理数」と「無理数」に分けられる。
さらに実数と虚数を合わせることで「複素数」という大きな数が出来上がる。
このように、図は概念間の包括関係を整理する助けとなります。
★そして、高校や大学で学ぶ「正規分布」のような統計の概念も、横軸と縦軸にデータを配置して分布図として見ることで、「内申点が良好な中学生は入試の点数も良好である」といった相関関係が、ナナメの集合となって視覚的に理解できるようになるのです。
◆五感の中で飛びぬけた「視覚」の力
勉強における五感の重要性の中でも、視覚は特に学びに直結すると感じています。
ただ文字を追うだけ、頭の中で情報を行ったり来たりさせるだけでは、すぐに思考が停滞してしまいます。しかし、図を描き、目で見て確認することで、思考に「とっかかり」が生まれ、次のステップへと進むことができます。
◎小学生のうちは、たとえヘタな絵やいびつな図でも構いません。その描く行為こそが、「どんなふうに考えたらよいか」を試行錯誤する貴重なプロセスなのです。
◆この**「図を描くことを面倒くさがらずに実践する」習慣を持った中学生は、将来的に大学数学**や専門分野に進んでも、自力で問題を構造化し、解決策を見つけ出す高い能力を発揮してくれるでしょう。
◆お子さんには、ぜひ今日から鉛筆を動かし、「目で見て考える」学習法を実践していってもらいたいものです。それは、成績を伸ばす最短ルートであり、未来を切り開く強力な武器となります。