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2023/1/16

「正負の数」でつまずく(中学数学)
■「中学から、数学がわからなくなった…」。こんな生徒と対峙したとき、どう指導すべきか?と、悩んでいる人も多いと思います。今までの経験と蓄積を活かし、「こんな教え方もあるよ」というノウハウを提供してみます。「勉強のしかた」ではなく、「この単元でつまずいている場合、どのように教えたらいちばん理解が早いのか」という具体的な方法です。中学生をもつ保護者の方。指導に悩んでいる方に参考になればさいわいです。子どもが中学数学でつまづく原因は主に3つです。

■A.練習不足(速く・正確に解く練習がたりてない)B.もっと前の単元でつまずいている(小5の分数など)理解があやふや。このうちAとBに関しては、よく言われるように、ドリルなどをつかった反復練習が有効です。たとえば-7-4=-3 としてしまう生徒の場合、頭の中でこんな処理がおこなわれています。「7ひく4で3。式の頭に-がついてるから、答えにもマイナスをつけて、-3」。つまりこのような生徒は、「-」というマークが計算記号なのか、数字の前につける符号なのか、ごっちゃになっている状態なんです。

■こうなってしまう原因の一端は、現行の公教育にもあります。教科書をみても、ある箇所では「-」をひき算の意味で使っていたり、またある箇所では「マイナスという符号」の意味で使っていたり。ばらばらです。このような中学1年生には、「+」「-」とは数字の前につく符号であると統一させると、スムーズにいくことが多々あります。

まず「+」「-」を「プラス」「マイナス」と読ませる。生徒が「たす」「ひく」と読んだら、そのたびに訂正する。そして「+」「-」とはぜんぶ、数字についている符号だと教える。「-7-4」は「-7と-4の計算」だと言う。「マイナスはぜんぶで何個ある?」と聞く。生徒が「11(コ)」と答えたら、「そう、答えはマイナスが11、つまり-11」と言って、「-11」と書く。「-7+4」は「-7と+4の計算」だと言う。「+と-は打ち消しあう」と言って、取り消し線をひく。そして「どっちが何個残った?」と聞く。生徒が「マイナスが3(コ)」と答えたら、「そう、答えはマイナスが3、つまり-3」と言って、「-3」と書く。同様の練習問題を一緒に解く。生徒が計算に慣れてきたら、自分でさせる。《注意点》「+」「-」は符号、と徹底させることがコツ。ここでつまずく生徒に、「この世に足し算、引き算なんてない!ただ符号のついた数を計算するだけだ!」と指導しています。また最初で+を「プラス」、-を「マイナス」と読ませることも重要。中2、中3になっても基本計算でまちがえる生徒ほど、「たす」「ひく」と言いつづけています。中1の早い段階で、算数ではなく数学に切り替わったと体感させましょう。

なお、「整数問題はできるけど、小数・分数計算になるとわからない」という場合は、小学校時ですでにつまずいている可能性が大です。小4または小5の小数・分数計算問題を解かせてみて、様子を観察してください。観察ポイントは4つ。小数点の位置などの基本ルールが身についているか?2桁+2桁、2桁×1桁くらいは横算のまま暗算できるか?異分母のたし算・ひき算の際に途中式を正しく書けているか?最小公倍数、最大公約数はノータイムで導き出せているか?~以上の4つのうち、ひとつでも欠けていたら、それはつまずきです。
【抽象 ⇔ 具体】の往復が、数学力を鍛えると考えています。

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