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2023/1/17

【国語の長文読解じゃあるまいし「非数学的な問題」はなぜ増える?!】
受験勉強が後半戦に突入した9月、多くの生徒から同じような相談を受けた。「共テ(大学入学共通テストのこと)で点数が伸ばせない」というのだ。共テは「暗記中心の試験から思考力を問う試験へ」のかけ声のもと、大学入試センター試験の後継として今年、スタートした。

2017、18年度に行われた試行調査では会話文や日常のやり取り、複雑な設定などで問題文の量が大幅に増え、中には問題の本筋とは無関係な文章もあって、私たちを戸惑わせた。共通テスト模試ではそうした傾向を踏まえた問題が出る。苦戦する生徒は多く、どう助言するかも悩ましい。例えば数学の出来が標準的なA子。「先生、共テ模試の数学Ⅰ・Aで70点くらいしか取れません」と言う。センター試験の70点は基礎の理解が不十分であることを意味するが、共テでは違う。

失点の原因は「理解不足」なのか「膨大な文章を読むのに時間がかかる」のかが特定できない。A子には「教科の基本を固め、文章量の多い問題を読む訓練を積もう」とアドバイスしたが、後者は数学なのだろうか? B男の場合はもっと深刻だ。彼は数学が得意で記述試験の得点は高いが、共テ模試の数学Ⅰ・Aはやはり70点程度。現代文が苦手で、膨大な文章を読んだり多くの図表類を見たりして答える「非数学的な問題」に苦しんでいるようだ。「センター試験の過去問なら90点を下回ることはない」とB男。彼があと2年早く生まれていたら、こんな苦労をしなくても済んだかも、と思ってしまう。

今年の共テの数学(第1日程)は試行調査に比べると文章量や複雑な設定が少なく、平均点も高かった。反動で来年は「共テっぽい試験」になると予測する関係者も多い。教科の学習以外の対策が必要な試験は果たして適切か。私は共テが「教科書を学習すれば得点できるシンプルな試験」になることを強く願っている。

数学の入試問題は、問題文が短く簡潔で、深く考えるものが「良問」とされてきた。はるとくん、よしおくん、みちこさんの掛け合いには飽きた。
そこに颯爽と現れたのが、「考えさせる」という名目で、無駄な文章ばかりで構成される『定期テスト』・『実力テスト』・『基礎学テ・入学試験』?!
私と同じ『想い・疑問』を抱いている有識者もいることに、ほっとしました。「ほっと」しても何も変わらんけど。【参考資料: NIKKEI 電子版】

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