暗記だけで数学を乗り切った学生の悲しい末路
暗記数学こそ読解力低下の遠因ではないか
暗記数学の実態として、気になっているいくつかの例を紹介します。
①「速さ・時間・距離」の関係を理解せずに「は・じ・き」の図式を覚えて問題を解くので、それを間違えて思い出すと、まったく異なる答えを出してしまう。
②「比べられる量・もとにする量・割合」の関係を理解せずに「く・も・わ」の図式を覚えて問題を解くので「~に対する…の割合」を「…の~に対する割合」と問題の表現を変えられると間違えやすい。
③立方体の展開図はいくつあるのか、というような試行錯誤してものの個数を求める経験がなくなり、単に答えだけを覚えさせるような教育が蔓延している。その結果、ものの個数を素朴に数える問題を苦手とする生徒や学生が多くいる。
④コンパスと定規を使って図を描く作図に関して、図を描くことは学ばせても、その手順としての作図文の指導を省略する学校が大半になったために、きちんとした論述文を書くことができない中学生が相当増えてきている。
⑤高校の授業でものの個数を指導するとき、最初から順列や組み合わせの個数を数えるときに使う順列記号Pや組み合わせ記号Cに関する指導から入る。
さらに、PやCに関する公式を覚えさせるだけの場合も少なくないようである。
その結果、「PやCに関する公式を使わないといけない」という強迫観念があるかのような奇妙な答案を書く生徒が多くいる。
「証明し、理解してから暗記する!」…この作業が大切だと思います。
サクシード塾長
数学のルール(定義)はスポーツのルール
数学のルールには人為的なものがあります。これを定義といいます。
定義というものはただ人間がそう決めた、というだけで理屈のないものです。
定義は疑うものではなくて、その定義を無条件で受け入れた時、その先にどんな世界が広がっているか調べること、それが数学という学問なのです。
数学は論理的と言われますが、その原点である定義は、ただ決めただけであって論理的というわけではありません。この関係はスポーツのルールに似ていると考えています。
サッカーは、なぜ手を使ってはいけないのでしょうか?バスケットボールは、なぜボールを持って走ってはいけないのでしょうか?この問いに論理的な答えはありません。この理不尽なルールを受け入れた結果、ドリブルなどのテクニックやゲームの戦術など、人間にとって興味深い世界が広がるのです。
数学に話を戻すと円周率が直径と円周の比であること、つまり(π=3.14159…)であることも人間が決めただけであって、それに論理的な意味はありません。
別に半径と円周の比にしてしまっても、数学の体系的には何の問題もないのです。円周率を直径と円周の比で定義してしまったことを、人類の大きな過ちである、と考える数学者の方もいるようです。
どう決めてしまっても問題はないのですが、一度決めたことを覆すことはできないのですね。
個別指導塾サクシード塾長
図がきれいに描けると、算数・数学の力が伸びます!
算数・数学の成績をアップする良い方法があります。それは、図をきれいに描くこと。図形と言った方が正確かもしれませんね。
「図はきれいに描け」「図が正確だと、図を見ただけで答が分かることもある」だから、ぜひ図形を正確に描く練習を取り入れてみてください。手始めは、円、正方形、正三角形あたりがいいかと思います。
ちなみに、「円がきれいに書ける人は頭がいい」という説もありますが真偽はわかりません。これらがきれいにかけるようになったら、次は立方体がいいでしょう。
立体の見取り図を正確に書くのは、なかなか大変です。立方体を書くコツは同じ大きさの正方形を2つずらして書きます。その後で対応する頂点を結びましょう。見えない辺は点線か薄い線にするといいですね。
図形を描く際に気をつけなければいけないのは、大きさの関係をきちんとすることです。辺の長さや角度の大小関係を正確にしましょう。30°、60°の直角三角形や直角二等辺三角形はしばしば登場しますので、しっかり描けるように練習してください。30°、45°、60°の大きさがきちんとイメージできるようになりますよ。サクシードがお手伝い致します。
放物線の描き方は?
消しゴムを少し斜めに投げてみて下さい。その軌跡が放物線です。その放り投げた消しゴムの軌跡を図にすれば良いだけです。
放物線を始めて書いた人はだいたい先端がとがっています。これは慣れればおさまりますが、書く順番を変えれば直ります。コツは、先端を最初に丸くなるように部分的に書いておくことです。後は直線的に減少増加するのでまっすぐ書いても大丈夫です。
長さに関しては、だいたいの長さをイメージして、出来るだけ合わせた方が良いです。試験では、問題のページに大きめに描いた方が良いですね。
問題を進めるたびに違うページの図を見るというのは効率が良く無いです。「計算するスペースがなくなる」といっても、計算は別の受験しない問題のページでも構いません。
そのままにしておくのではなく、計算結果は図の横などに羅列しておくとよくわかります。
【戦略】基礎の問題、自信のあるところをより確実に仕上げる
苦手単元の復習も必要な場合もありますが、基礎のところ、自信があり点数が取れるところを、しっかり固め、「そこでは点数を絶対に落とさない!」という学習を優先させましょう。
無理をして難しい問題の学習をしても、覚えきれずに点数につながらないばかりか、覚えかけの知識が入り交ざり、混乱を招くこともあります。
つまり、全員が正解するような問題を確実に点数が取れるようにし、そして、全員が間違えるような難問はあきらめるというような戦略になります。
簡単な問題をすべて正解できるようになったら、ひとつずつ苦手をつぶしていきましょう。