「数学は理解を伴う暗記」
「理解を伴う暗記」は、演技の台本を覚えるようなものです。台詞を覚えることは必要ですが、それだけでは演技はできません。ストーリーを知り、登場人物の気持ちを理解し、どう演じるべきかを知らないといけません。
演技の台本を覚えるということを、数学に当てはめて見ましょう。台詞を覚えることは、公式を覚えることです。それ以上に必要なのは、解答に至る流れ・筋道を知ることです。
公式は流れ・筋道の適切な位置にあります。ストーリーが分かってないと、登場人物の気持ちが腑に落ちないように、問題の筋道がわからないと、その問題が宙に浮いたようになってしまいます。どう演じるか、というのは、問題を実際に解いていく段階になります。
数学の不断の努力の成果を出すのが、問題を解く時です。解いていく時の武器は、練習で培った論理的な推論能力です。
ストーリーを知り、数学を解くには、問題の筋道を知り、問題内容を理解し、論理的に推論していく、という手順を覚えないといけません。
度重なる練習をしないと、数学は上手にはなりません。放り出せば、そのチャンスは失われてしまいます。まずは公式を理解し、暗記から始めてみてください。そして、必要な手順を、一つ一つクリアしていってください。
すべての問題を網羅することは、不可能です。
出てきた問題に対処できる力をつける。そのためには、じっくり解き明かす力を身に付けておかないといけない。大事なことです。
1問に10分、15分とかかっていても、ウンウンと、うなっている時間に力はついている。
むしろ、「あ、これ、できない」と決めてしまうと、逆にできるようになるチャンスを失います。算数・数学ができるようになる、というのはこういう過程を積み重ねる以外にはありません。
そうやって、考えるうちに、「お、こうかも」と思いつけるようになってくると、それは段々力がついてくる証しです。時間を計って時間内に解くことばかりではなく、時間関係なく、解き明かしていかないと、力はついていきません。
多少なりとも難しい問題に挑戦していかないと、考える力はついていかないので、問題はしっかり選んでください。
ノーヒントでできるように量をこなす
勉強とは、理解と暗記のバランス理解できなければ、パターンを覚えたら、得点は取れます。
暗記の量を減らして楽にするために、理解があるだけ。
数学の理解が、速い人もいれば遅い人もいる。でも理解が遅いとしても、大丈夫です。よく出る問題パターンと、そのやり方を知ったら、ノーヒントでもできるように、繰り返し練習しましょう。
数学では「わかったようになるだけ」が一番怖いです。わかった気がする、でもいざやると、できない。そんな生徒さんが多いので、気をつけて下さい。
数学において目指すべきレベルは、次のような感じです。
「問題を読む」→「瞬時にやり方がわかる」問題を見て、反射的にやり方がわかる。
そのレベルになるよう量をこなすことが、本当に大切です。
算数・数学の入試問題
前半、パターン問題が出ている学校は少なくない。ああ、これやったことある、みたいに解ける問題があるので、そこを確実に得点することはまず大事なことです。
しかしながら、それだけでは力は伸びません。テキストで数字だけ変わっていて、形は同じ、というような問題が並んでいるものがありますが、あれは確かに多少練習をする必要がある子どもにとっては便利かもしれません。
パターンで解けない問題は絵を描いてみましょう。
問題自身を分析し、図や表を書いてみたり、多少なりとも書き出してみたり、という工夫が大切です。
高1の勉強は、数学さえ制覇できたら、かなり楽しい高校生活が送れるといえるかもしれません。
英語もたいへんだけど、高校で新しく習う文法の単元は「仮定法」や「分詞構文」など、3~4つくらい。単語や構文のバリエーションが増えて、文章は長く複雑になるけれども、根幹は中3までの英語です。
高1数学の前半に現れる『2次関数』という単元は、これからの高校で、数学を受験科目として選択してやっていけるのかどうかを見る、1つ目の試金石(しきんせき)といえます。
小学→中学→高校と一貫し、最終入試である大学受験だけを見据えています。高校受験は途中過程に過ぎないと考えていて、環境の有利不利はあっても、優劣はほぼないと思っています。
特に中学3で習う「2乗に比例する関数」は「プレ数Ⅰ・2次関数」という観点から、じっくり時間をかけて反復して問題量をこなせるよう、あらかじめ高校数学を考えてスケジュールを組んでください。